2015/09/09

ドイツの難民問題


今日は、ドイツの最近の一番のテーマについて綴りたいと思います。

いま、ドイツの切実な問題は、難民問題です。

毎日のように、数千、数万人のシリア・イラク等からの難民がドイツに向かって移動しています。
友人の住む郊外でも何百人の受け入れ可能な施設があちこちで建てられたという話は最近よく聞きます。私はハンブルグの市内にすんでいますが、息子のいく小学校のクラスでもすでに一人の難民の子供がクラスにいます。おそらく、これからどんどん増えてきてどんどん日常でも遭遇する時期もやってくるのでしょう。

日本は島国なので、こういった環境とはほど遠い感じですが、ドイツに住んでいると他人事の様に思えません。とくに外国人としてドイツに住んでいる私は、ドイツの外国人問題それもいろいろな外国人が住んでいますから、そういった様々な人種や文化の外国人と接する機会も多く、考えさせられます。

欧州は陸続きというのもあり、EU国以外の民族が行き来する、民族のるつぼです。日本では到底遭遇する事のない国から来た人たちもいっぱい見かけます。そして、そういった環境の中、国と国の間を通り抜けて、難民受け入れ態勢をとっているドイツに向かって民族大移動がはじまってます。いままでもシリアやイラクの情勢は良くなかったはずですが、どうしていま、こんな事になってしまっているのでしょうか。連日ニュースで報道されています。そして、近隣の国々の政治体勢がその報道によって伝わってきます。

正直、ドイツ人気質はあまり好きでない事も多い私ですが、こういった徹底したドイツ政府の体勢を見ていると、欧州のなかでもドイツは本当に偉いなあと思います。70年代、トルコ人外国労働者を多く取り入れたドイツですが、彼らなりに今回は失敗せずきちんとやりたいという姿勢があるようです。
長い目でみてドイツが被るいろいろな社会問題、経済問題などが計り知れないものがあるとおもいます。そういった事も踏まえてドイツがとっている姿勢ですが、いまシリアからの難民を受け入れようとしているドイツ、わたしなりに是非応援したいと思いました。

ドイツで住む外国人のなかでも日本人はとても恵まれた環境にあります。日本人の私も、ドイツ在住かれこれ長いですが、ドイツ人の不親切さ、自分勝手でぶっきらぼうな態度にいまだに『もう、ドイツ人は最悪だ!』と時々腹を立てて怒ったりしますが、それは、日本という恵まれた環境から来た人たちの贅沢な悩みなのかもしれません。
基本的には親日家のドイツ人。私たち日本人が受けるドイツ人の態度って全然対した事がないのでしょう。もっとひしひしと身にしみる態度をとられて差別を感じてる民族の方達は、おそらく沢山あるのでしょう。

この間、たまたま話をした初対面のドイツ人女性に言われました。『あなたはどこ出身なの?』『日本です。』『なんでまたドイツに住んでいるの?日本はとても良い国でしょう。』と。彼女曰く、あなたは裕福で素晴らしい文化を持った国でしょう、ドイツに来る意味が分からないと。。。
そういわれて初めてはっとしました。そういえば、ドイツにくる外国人は、自分の国を捨ててでも、ドイツに来て生活と仕事をする様なバックグラウンドがある方も少なくないという事を。。。
そして、身の危険を感じ、自分の故郷への希望を捨て、自らドイツに向かっているシリア、イラクのひとびとは、自分の国や文化そして家、財産、学歴、仕事を全て捨て、自分の体一つだけで国を去って行ってるわけです。そういった状況と彼らの必死な思いなど、私には想像もできない程の気持ちがそこにあるのだと思います。

私も、ドイツに住んでいる以上、他人事ではない難民問題、自分ながらに、ここでなにが出来るのか、考えてみたいと思います。
















0 件のコメント:

コメントを投稿