2015/09/24

仁神術との出会い


日本ではほとんど知られていない仁神術という日本発祥の整体法
について知ったのは、ドイツでハイルプラクティカーの専門学校にいっていた時。

日本人だと聞くと、『じんしんじゅつ』って知ってる?

と言う質問を何度か聞きましたが、欧州人にはとてもむずかしい発音の言葉ということもあって、
ニンシンジュツ、インシンニュツ、ジンシンニュツ???
えっ、なに?
何のことを言ってるのかわからなかったです。笑

でもこの仁神術は、アメリカをはじめ欧州でも代替療法、家庭医学
療法として、知る人ぞ知る、有名な手技療法です。

仁神術の創始者、村井次郎先生の直弟子であった、故メアリー・ブアマイスター先生(日系アメリカ人)は、アメリカをはじめ全世界に仁神術を広めた方です。また、日本にも直弟子の故加藤春樹先生が唯一日本で、施術をされていらっしゃいました。いまは、その息子さんである加藤貞樹先生が継承者としていらっしゃいます。

ドイツにも、この仁神術を数十年前にアメリカでメアリー先生から勉強された方が何人かいらっしゃいます。そしてこの手法を継承しようと活動されています。

ひょんなことから、ある日、ドイツで仁神術を教えている先生から連絡を受けました。

来年、ドイツで行なわれる仁神術のセミナーは、日本から加藤先生をお招きするので、その通訳をしてもらいたいというのです。

この仁神術は、かんたんにいうと、鍼灸のはり治療に似ているが、はりの代わりに手でするようなもので、気の流れ、経絡を意識した手法だと説明を受け、、、

だから、鍼灸をやっている私ならできるだろうというのです。。。

色々調べたら、この仁神術の組織はとてもしっかりして、
アメリカ・欧州では知るしとぞ知る、非常に信頼を持った手法で、人気があるよう。

そうこうしているうちに、ドイツで活動されている先生から連絡をうけ、今年ハンブルグでそのセミナーが行われるので、是非一度私も参加者としてでてもらい勉強してもらいたいと言われました。

ということで、昨日9月23日から27日までの5日間コースの仁神術に参加することになりました。

参加してみると、参加者がざっと30人と結構多いのにびっくり。この聞いた事もなかった日本の手法のために、こんなに集まるんだと驚きました。9時〜18時の5日間コースを最低3回繰り返し、どんどん上級コースに参加できるようです。だから、もう何度も参加しているリピーターがいて、全国と世界で繰り広げられている講習会のいろいろな先生方を目当てに全国ネットであちこちから来られているようです。

内容も、一回聞いた位ではそう簡単に学べないくらい複雑であるが、それを学ぶ為にどちらかというと、同業者のテラピストというより、自分や家族のために学びにきている方が多い感じがしました。隣に座っている男性も、自分の過去の健康状態が悪かったため医者から勧められて受けた仁神術により、また元気になって普通の生活をする事が出来る様になったそうです。そして自分もその手法を学ぼうと思ったそうです。ざっと参加者に聞くと、そういう経過ではじめた方も少なくなく、かつ、家庭でだれでも出来るものとして普及しており、家庭の医学療法として知るしとぞ知る手法のようです。

さて、鍼灸に良く似ているといわれ、参加してみると、理論は同じようで同じではない。たしかに気の流れを調整するという意味では同じですが、はたして、私にこのセミナーの通訳が務まるのでしょうか。

自分が理解しなければ通訳業務は難しいので、来年までにある程度は理解しておかなければいけませんが、この仁神術の手法を勉強しておくと、結構いろいろと自分の治療でも役に立つかもしれないと思いました。

人生は、ひょんなことから人や物事との巡り逢いがあり、それには理由があるという事も納得いきます。

今回の仁神術との出会いは、結構説得力もあり、私の人生になんらかの影響力がでてきそうな予感がします。













2015/09/18

鍼灸自己体験記/口唇ヘルペス



自然療法の世界に入って鍼灸を専門にして、一生涯の勉学に励むかたわら、
便利だなーと思うのは、自分で自分を治療できる事です。
出来ないエリア、とくに背中なんか手が届かない所もありますが、基本的には経絡調整ができますし、症状に対する自己実験できます。だから、なにか滅多にかからない症状とかがでると、よし、じゃあ、これやってみようなんて感じでモティベーションが上がるわけです。笑

健康がとりえの私も、ま〜ときどき、なにかあります。
それも突然訪れる事が多い。

こんかいは口唇ヘルペス体験談。

口唇ヘルペスは、体の免疫が弱っている時に、くちびるの周りに赤い水ぶくれができます。疲れやストレスがたまって体が弱っているときにでてしまうもので、無理なんかをするととたんに出てしまいます。風邪の前後とかにでたりもしますが、ヘルペスが出ると、自分ではわからなくても、あー無理してたんだな、疲れているんだなと、自分の健康のバロメーターにもなってます。

いちどかかると最初に感染した後、免疫ができても、体力の低下や外傷などの機会で、まだできてしまう、いやなものです。はじめは出来る箇所がむずむずして、そのうち水泡が出来てどんどん大きくなります。唇だとだんだん腫れてきたりもします。痛みも少しありますが、なんといっても見た目が最悪で、かさぶたができて治るまで1−2週間ぐじゅぐじゅするわけです。だいたいむずむずして最初の水泡らしきものができたら、手遅れという感じで、いくら頑張って薬局でくれる薬などをぬったり、抗生物質をのんでも一旦でてしまったものは、治りません。

わたしもここ10年くらいできてなかったのですが、子供の頃なった事があるし、母親もよくやっていたので、どこかでもらっていたのでしょう。

ただ私の場合、出方がおもしろいのです。

性格上、それほど人とのやりとりでものすごくストレスがたまってとか、体を壊してとかそういうのはないのですが、決まってなるタイミングが、気になる好きな人ができると、途端になるのです。10年程まえになったときも、当時つきあっていた彼と初デートをするちょっと前に出来てしまって、友人と『どうしよう!!!』なんて、あせっていたのを覚えています。デート前のタイミングで出来た事があるのは、なんと3回もあります。笑
これが私にとってのストレスなんだ〜とか感心したりして。笑
ま〜、最悪のパターンですよね。私の場合いつも上唇のど真ん中にできるのですが、初デートですから。

それから、北ドイツは太陽があまりでないエリアですが、とつぜん天気がよくなって、
ひさしぶりに週末を気になる彼かなんかと長ーい散歩をした後なんかも私は要注意です。
というのも、日光に急にあたりすぎた場合も出たりするみたいです。
最後にできたときも、そのパターンでした。好きな相手との初デートとかというのは、緊張感があるんでしょうね。デートした日も最高の散策日和でした。最後に出来た時は、デートした2−3日してから出来ました。生理前というのも重なりまして。その2週間後にまた会う予定でしたら、もう大変でした。一番ひどく唇が猛烈にはれて水泡の花が唇の上に乗っかっているようなひどいさまで、もうこりごりでした。

そして、ついこの間、また例の口のむずむず感を先日一回感じ、えっ、また?それも
人が遊びに来るというちょっと前。彼の事は人としてふつうに好きですが、本当は好きなのかななんて、いや逆にきてほしくないというストレス?ま〜そういう感じで自分の気持ちをヘルペスから学んだりして。笑
自分では免疫が落ちてる感がなかったので、びっくり。確かに生理前。

よし今度こそは早期発見&鍼灸でなんとかしてやろうと思いました。

そしてむずむずを一回感じた直後から一日2−3回の自己治療。本治法で、脈診による鍼、要穴に銀鍼あるいはてい鍼で補瀉、数本。私の今回のケースは、肺虚肝相克、朝は肝虚でしたが、夜はなぜか肝実。
それに加え、奇経治療で合谷と陥谷にお灸治療。とくに、奇経治療を一日最低2回、ピークは3回しました。これを数日根気よく繰り返しました。むずむず感がまずとれて、唇にでかかった水泡が、どうしようかな〜てなかんじで、でそうででない。唇はたしかに少し腫れてるかんじがありました。でも水泡が出来ないんです!そのうち、その腫れもひいてきて、完治してしまったわけです。もちろん、睡眠とビタミンはたっぷり取る様にしました。これまでは、いったんできてしまうとおもったら、ヘルペスの水泡発症がどんなにくすりを塗っても防げなかったので、今回は、自ら、鍼灸の素晴らしさを実感しました。

また今回思った事は、この毎日の鍼とお灸、それも一日2−3回という頻度。これが実際の患者さんに出来たら、鍼灸のすごさをわかってもらえるのになあという事でした。まずあり得ないですね。往診するしかないですかね。それか、お灸を教えて家でやってもらう事ですね〜。患者さんが家で自らするお灸の伝授の重要性を改めて実感しました。

今日はこの辺で。





































2015/09/09

ドイツの難民問題


今日は、ドイツの最近の一番のテーマについて綴りたいと思います。

いま、ドイツの切実な問題は、難民問題です。

毎日のように、数千、数万人のシリア・イラク等からの難民がドイツに向かって移動しています。
友人の住む郊外でも何百人の受け入れ可能な施設があちこちで建てられたという話は最近よく聞きます。私はハンブルグの市内にすんでいますが、息子のいく小学校のクラスでもすでに一人の難民の子供がクラスにいます。おそらく、これからどんどん増えてきてどんどん日常でも遭遇する時期もやってくるのでしょう。

日本は島国なので、こういった環境とはほど遠い感じですが、ドイツに住んでいると他人事の様に思えません。とくに外国人としてドイツに住んでいる私は、ドイツの外国人問題それもいろいろな外国人が住んでいますから、そういった様々な人種や文化の外国人と接する機会も多く、考えさせられます。

欧州は陸続きというのもあり、EU国以外の民族が行き来する、民族のるつぼです。日本では到底遭遇する事のない国から来た人たちもいっぱい見かけます。そして、そういった環境の中、国と国の間を通り抜けて、難民受け入れ態勢をとっているドイツに向かって民族大移動がはじまってます。いままでもシリアやイラクの情勢は良くなかったはずですが、どうしていま、こんな事になってしまっているのでしょうか。連日ニュースで報道されています。そして、近隣の国々の政治体勢がその報道によって伝わってきます。

正直、ドイツ人気質はあまり好きでない事も多い私ですが、こういった徹底したドイツ政府の体勢を見ていると、欧州のなかでもドイツは本当に偉いなあと思います。70年代、トルコ人外国労働者を多く取り入れたドイツですが、彼らなりに今回は失敗せずきちんとやりたいという姿勢があるようです。
長い目でみてドイツが被るいろいろな社会問題、経済問題などが計り知れないものがあるとおもいます。そういった事も踏まえてドイツがとっている姿勢ですが、いまシリアからの難民を受け入れようとしているドイツ、わたしなりに是非応援したいと思いました。

ドイツで住む外国人のなかでも日本人はとても恵まれた環境にあります。日本人の私も、ドイツ在住かれこれ長いですが、ドイツ人の不親切さ、自分勝手でぶっきらぼうな態度にいまだに『もう、ドイツ人は最悪だ!』と時々腹を立てて怒ったりしますが、それは、日本という恵まれた環境から来た人たちの贅沢な悩みなのかもしれません。
基本的には親日家のドイツ人。私たち日本人が受けるドイツ人の態度って全然対した事がないのでしょう。もっとひしひしと身にしみる態度をとられて差別を感じてる民族の方達は、おそらく沢山あるのでしょう。

この間、たまたま話をした初対面のドイツ人女性に言われました。『あなたはどこ出身なの?』『日本です。』『なんでまたドイツに住んでいるの?日本はとても良い国でしょう。』と。彼女曰く、あなたは裕福で素晴らしい文化を持った国でしょう、ドイツに来る意味が分からないと。。。
そういわれて初めてはっとしました。そういえば、ドイツにくる外国人は、自分の国を捨ててでも、ドイツに来て生活と仕事をする様なバックグラウンドがある方も少なくないという事を。。。
そして、身の危険を感じ、自分の故郷への希望を捨て、自らドイツに向かっているシリア、イラクのひとびとは、自分の国や文化そして家、財産、学歴、仕事を全て捨て、自分の体一つだけで国を去って行ってるわけです。そういった状況と彼らの必死な思いなど、私には想像もできない程の気持ちがそこにあるのだと思います。

私も、ドイツに住んでいる以上、他人事ではない難民問題、自分ながらに、ここでなにが出来るのか、考えてみたいと思います。
















2015/09/05

もぐさ工場見学@琵琶湖


日本のおへそといわれる琵琶湖に、今回、日本滞在期間中、行って参りました。

それもジャパンレールパスを利用して。あれは、とてもお得感があります。
1週間新幹線とJR全線のり放題。わざわざJRのる為に乗り継ぎしたり、遠回りしたりして。笑
ドイツで無制限滞在ビザをもってる特権!日本人でありながら、外人扱い。
私もドイツにかれこれ20年ですから、そうじゃなくても家族や友人間でももう変な日本人?外人?扱いですが。。。笑

琵琶湖って泳げるとかでいってみたかったのですが、その琵琶湖のまわりに、日本の鍼灸で使われているもぐさを作ってらっしゃる会社が集まっているので、これはいい機会だと思いまして、日本の新幹線にあこがれる息子を連れていって参りました。

米原駅では、山正さんというもぐさ製造会社の方が、私たちを迎えにきて下さいました。
東京を離れて、山と湖、そして田んぼの見える町並みは、なんだか落ち着くものがありました。山の景色を背景に田んぼの間を通り抜けたところがもぐさ製造会社の山正さんでした。ちなみに、せんねん灸さんもすぐ近くにあり、むかしは同じ会社でやっていらっしゃっていたそうですが、2つの会社に分かれたそうです。
そして、鍼灸で私が使っている日本の最高級のもぐさができるまでの過程をひとつひとつ見せて頂きました。






もぐさをまず乾燥させます。
乾燥させるもぐさをいれます



石臼でもぐさの葉をすり分けます。




最終的にこんな感じのもぐさになります。